コラム

2022年03月22日

学校でのプログラミング教育について

プログラミング教育は、論理的に考える力であるプログラミング的思考を身につけるための教育です。実際にプログラミング教育が行われている自治体や小学校にはどのようなカリキュラムがあるのでしょうか。
文部科学省の「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」によると、小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類は以下のような指導例があります。

A    学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの
B    学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの
C    教育課程内で各教科等とは別に実施するもの
D    クラブ活動など、特定の児童を対象として、教育課程内で実施するもの
E    学校を会場とするが、教育課程外のもの
F    学校外でのプログラミングの学習機会

今回はプログラミング教育に対する地域の取り組みや小学校のカリキュラムについて詳しく紹介したいと思います。


地域のプログラミング教育の取り組み
—    埼玉県戸田市
はじめに紹介する埼玉県戸田市はプログラミング教育に積極的に力を入れている自治体として有名です。
2018年度から、市内小学校・中学校の教員を委員とする「プログラミング・ICT教育研究推進委員会」を設置して、9年間の小中一貫カリキュラムを実施しています。また、専門性の高い民間企業と連携して、最先端のプログラミング教材を活用しています。
戸田市では、必要な基本的スキルの習得を生活科と総合的な学習の時間に位置付けて実施し、さまざまな教科で発展的な学習を展開しています。

    小学校低学年
コンピュータを用いない教材(アンプラグドなプログラミング)で、プログラミング的思考の基礎を学びます。子どもたちは目的を達成するためにどんな言葉がけをしたらよいか、考えながら指示を出せるようになります。
    小学校高学年
コンピュータでプログラミングの命令が書かれたブロックを組み合わせて、プログラムを作成したり、体験したりします。
    中学校
小学校などで身につけたスキルを活用して、より発展的な学習を行っていきます。


—    千葉県柏市
次に紹介するのは千葉県柏市です。
柏市は2017年からすでにプログラミング教育の活動を開始しています。
柏市では、1987年に市内の小学校でプログラミング教育を開始し、10年間継続した歴史があります。そして柏市は数年前から「情報活用能力を育てる事業」に取り組んでいます。小中学校全校にITアドバイザー(ICT支援員)を派遣し、情報活用能力・情報モラルの育成を目的とした授業を展開しています。

小学1年生:「はじめてのコンピュータ」
小学3年生:「ローマ字入力」
小学4年生:「プログラミング」
小学5年生:「プレゼン作成」
小学6年生:「情報モラル(ネット被害)」
中学1年生:「ネットいじめ(傍観者)」
中学2年生:「情報モラル(SNS)」

柏市は2017年度の実施で、120人の教師と約3600人の児童がプログラミングを体験しました。柏市の小学校のプログラミング体験者は今も増加し続けています。


小学校のプログラミング教育の取り組み
—    文京区立湯島小学校
東京都教育委員会は小学校におけるプログラミング教育を推進するために実践研究を行いました。75の推進校のうちのひとつが文京区立湯島小学校です。
5年1組と2組の合同授業では、ロボット・プログラミング学習キット「KOOV」を使用し、「ロボット操作の仕方、ポイント、相談したいことを簡単にまとめて練習する」という授業が行われました。

4年1組では、写真をネット上に公開する際に考えなければならない個人情報等について学ぶ道徳の授業が行われました。「自分の寝顔」「自分の変顔」「自分の部屋」「たまたま写り込んだ自分」「自分の食事中」の中から、自分がネット上に公開されたら嫌な写真を選択し、理由を答えるという授業です。
自分の立場になって考えることで、ネット上に公開する際に注意深く考えられるようになります。

これらの他にも、「SNSのよりよい使い方を考える」授業や、カードの教材を使用して作曲をさせる音楽の授業など、子どもたちが楽しめるように工夫されたさまざまな授業があります。


このようにそれぞれの自治体や小学校で、さまざまなプログラミング教育が実施されています。では、そうした現場では、実際にどのようなプログラミング教育の教材が使用されているのでしょうか。


具体的なプログラミング教育教材

Scratch
Scratchはアメリカのマサチューセッツ工科大学のメディアラボが無償で公開しているブロックをつなぎ合わせるだけでプログラムを作ることができるプログラミング言語です。日本語でも使用できるので、小学校のプログラミング教育でも広く活用されています。

LOOPIMAL(ルーピマル)
LOOPIMALは画面上のブロックをつなぎ合わせて自分の好きなリズムを作れるアプリです。ブロックの組み合わせによってリズムや動物の動きが変わるので、音楽好きなお子様には楽しいプログラミング教材です。

Viscuit(ビスケット)
Viscuitは絵を描く、絵を変化させる・移動させるという操作でプログラミングをするので、他のプログラミング教材とは違うプログラミングに触れることができます。
自分の描いた絵を動かしたり、ゲームを作ったりすることができるので、お子様にとって楽しくプログラミングに取り組めます。

BBC micro:bit(マイクロビット)
BBC micro:bitは教育用の小型コンピュータです。開発されたイギリスをはじめとして多くの国で、プログラミングを学ぶときに活用されています。

教育版レゴマインドストームEV3
子どもに人気のレゴブロックからプログラミング教材が発売されています。
教育版レゴマインドストームEV3は、小学校中高学年〜中学生を対象にしたプログラミング教材です。レゴブロックを組み立て、プログラミングして動かします。
想像力とプログラミング的思考を同時に育めるので、プログラミング教育教材として使用されています。

 

今回ご紹介したように、プログラミングは子どもたちにとってすでに身近なものになっています。プログラミングスクールCotoMiraiでは、ScratchやKOOV、Viscuitなどの教材を使用し、お子様がプログラミングに触れながら、自主性、創造性、表現力を楽しく学ぶことができます。興味のある方はぜひ一度無料体験会にご参加ください!

 


 

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